【初心者向け】プロテインスキマーは必要?選び方からおすすめ商品までを解説!

【初心者向け】プロテインスキマーは必要?選び方からおすすめ商品までを解説! 海水魚

海水魚飼育を始めようとすると、さまざまな専門用語や器具を目にしますよね。「プロテインスキマー」もその一つです。

しかし、「プロテインスキマーってどんな役割があるの?」「本当に必要なの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。

結論から言うと、プロテインスキマーは海水魚を健康に、そして長く飼育するために有効なアイテムです。しかし、すべてのケースで必須というわけではありません。

この記事では、プロテインスキマーが一体何をする装置なのか、どのような場合に必要で、どのような場合に不要なのかを分かりやすく解説します。さらに、プロテインスキマーの種類と、それぞれのタイプでおすすめの商品もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ジョー
ジョー

プロテインスキマーってなんだ??

シッタカ
シッタカ

水槽内の有機物を取り除く装置のことですよ、ジョーさん。海水魚飼育ではプロテインスキマーが必須となるケースが多いですよ!

そもそも「プロテインスキマー」とは?

プロテインスキマーとは、水槽内の「有機物」を物理的に取り除く装置のことを指します。

有機物とは、魚のフン・食べ残しの餌・生体やバクテリアの死骸など、水槽内で発生するあらゆる汚れのことです。時間とともに分解され、魚にとって有害なアンモニアや亜硝酸塩、最終的には硝酸塩へと変化していきます。この有害物質の蓄積が、水質悪化の主な原因です。

プロテインスキマーは、こうした有機物が有害物質に変わる前に効率的に水槽から除去してくれます。水質を維持する上で欠かせないアイテムといえるでしょう。

仕組みは「泡」を利用する

プロテインスキマーの内部では、水と空気を混ぜ合わせることで、非常に細かい泡を大量に作り出します。この泡の表面には、タンパク質などの有機物がくっつきやすい性質があるのです。

 * 水槽内の水がスキマー内部に取り込まれる

 * 強力なポンプで水と空気が攪拌され、微細な泡が生成される

 * 水中の有機物が泡の表面に吸着する

 * 有機物を吸着した泡が上昇し、装置上部の「汚水カップ」に集められる

 * 汚水カップに溜まった汚れ(汚水)は、定期的に捨てる

このようにして、プロテインスキマーは水槽から物理的に汚れを取り除き、水質を安定させています。

プロテインスキマーは「必要」な場合と「そうでない」場合

プロテインスキマーは万能な装置ですが、すべての水槽に必ずしも必要なわけではありません。どのような場合に必要なのか、詳しく見ていきましょう。

プロテインスキマーが必要な場合

以下のケースに該当する場合、プロテインスキマーが必要です。

 * サンゴを飼育したい場合:綺麗な水を好むサンゴは、有機物が蓄積すると調子を崩しやすいので、プロテインスキマーは必須です。

 * 水槽に多くの魚を入れている場合:魚の数が多いとフンや餌の食べ残しが増え、水質が悪化しやすくなります。スキマーで効率的に汚れを取り除くことで、水質を安定させられます。

 * 大型魚を飼育する場合:大型魚は食べる量もフンの量も多いため、水質が急速に悪化するリスクがあります。

  * 水換えの手間を減らしたい場合:プロテインスキマーを導入すると水質が安定しやすいため、水換えの頻度をある程度減らせます。ただし、水換えが不要になるわけではありません。

プロテインスキマーが必須ではない場合

以下に該当する場合は、プロテインスキマーがあっても良いですが、なくても問題ないとされています。

 * 魚の数が少ない、ごく小型の水槽(〜30cm程度):魚が1〜2匹程度の小さな水槽であれば、週に1〜2回の定期的な水換えで水質を維持できることがあります。

 * 天然のろ過能力に頼って飼育する場合:ライブロックやライブサンド、天然海水のろ過能力に頼って、極力人工的な器具を減らしたい場合です。ただし、この場合でも水質が悪化するリスクは理解しておく必要があります。

結論として、少しでも本格的に海水魚やサンゴの飼育を楽しみたいなら、プロテインスキマーの導入を強くおすすめします

プロテインスキマーの種類とおすすめ商品

プロテインスキマーには、いくつかの種類があり、それぞれ特徴や設置方法が異なります。水槽のサイズやシステムに合わせて選びましょう。

プロテインスキマーは、水中に微細な泡を大量に発生させるポンプの仕組みを利用した装置です。この「泡の作り方」によって、大きく2つのタイプに分けられます。

エアリフト式

エアポンプを使って、ウッドストーンやセラミックストーンから空気を送り込み、水中に泡を発生させる方法です。泡が上昇する力で水を循環させることから「エアリフト(空気を持ち上げる)」と呼ばれます。

エアリフト式プロテインスキマーの特徴は、以下の通りです。

 * シンプルで手軽:構造が簡単で、本体価格が安く、メンテナンスも容易です。

 * 初心者向け:小型水槽や、海水魚飼育を気軽に始めたい方におすすめです。

 * スキミング能力は控えめ:ベンチュリー式に比べて泡が粗くなりやすく、本格的なスキミング能力は期待できません。

 * 動作音が気になる場合も:エアポンプの振動音や、泡が弾ける音が気になることがあります。

代表的な商品:

 * カミハタ 海道河童 プロテインスキマー:手軽に設置できる外掛け式スキマーの定番です。ウッドストーンを交換するだけで性能が回復します。

 * マメデザイン マメスキマー3:コンパクトでデザイン性も高いスキマーです。水槽の景観を損ねずに設置したい方におすすめです。

ベンチュリー式

専用のポンプで水を勢いよく吸い上げ、その水流の途中に設けた小さな穴(ベンチュリー管)から、空気を取り込んで泡を生成する方法です。水流の負圧を利用して、空気を強制的に巻き込むことで、安定して泡を作り出します。

ベンチュリー式プロテインスキマーの特徴は、以下の通りです。

 * スキミング能力が高い:エアリフト式よりも細かい泡を安定して大量に作れるため、スキミング能力に優れています。

 * 幅広いモデル:小型水槽用から大型水槽用まで、さまざまなモデルが市販されています。

 * 動作音が静か:ポンプの動作音は静かなモデルが多いです。ただし、エアリフト式のようなエアポンプの音はしないものの、水の循環音や泡の弾ける音はします。

 * 消費電力は大きめ:エアリフト式に比べて消費電力が大きくなる傾向があります。

代表的な商品:

 * ゼンスイ QQ1 プロテインスキマー:外掛け式ながら高い性能を誇る人気モデルです。コンパクトな水槽でも本格的なスキミングをしたい方におすすめです。

 * ゼンスイ ナノスキマー:コンパクトで水槽内に直接設置するタイプのベンチュリー式スキマーです。小型水槽向けに設計されており、スペースをあまり取りたくない方や、手軽に高性能なスキマーを試したい方におすすめです。

どちらの方式を選ぶかは、水槽のサイズや飼育する生体、そして予算によって決めると良いでしょう。

プロテインスキマーの選び方

さまざまなプロテインスキマーがあるため、「どのスキマーを選べば良いかわからない」という方も多いことでしょう。ここでは、プロテインスキマーの選び方について、ご紹介していきます。

処理能力で選ぶ

スキマーの処理能力は、水槽のサイズと飼育する生体の種類によって決めるのが基本です。製品には「60L水槽まで対応」など、適合水槽サイズが記載されています。

水槽サイズぴったりではなく、ワンランク上の処理能力を持つモデルを選ぶと安心です。将来的に生体を増やしたり、サンゴを導入する場合にも対応できます。

設置方法で選ぶ

スキマーを「どこに置くか」も重要なポイントです。例えば、エアリフト式に多い水槽の縁に引っ掛ける外掛け式は、水槽内にスペースを取らず簡単に設置できます。しかし、水槽の外観を損ねる一面も。

一方、ベンチュリー式に多い水槽の下に設置するタイプのスキマーは、水槽周りがすっきりとし、静音性に優れたモデルが豊富にあります。ただし、別途ろ過槽が必要です。

スキマーによって設置する方法が異なるため、購入前に「どのように設置するモデルなのか」をしっかり確認しておきましょう

動作音の大きさで選ぶ

スキマーは常に稼働させるため、動作音も重要なポイントです。ポンプの駆動音や泡が弾ける音は、機種によって異なります。

寝室やリビングなど静かな場所に水槽を置く場合は、静音性に優れたモデルを選びましょう。一般的に、高性能な機種ほど静音性に配慮して作られています。

メンテナンスのしやすさで選ぶ

どんなに高性能なスキマーでも、メンテナンスを怠ると性能が低下してしまいます。汚水カップの着脱や、本体の清掃が簡単にできるかどうかも、購入前に確認しておきましょう。

メンテナンスがしやすいモデルを選べば日々の管理が楽になり、常にスキマーの性能を最大限に発揮させることができます。

プロテインスキマーのメンテナンス方法

プロテインスキマーは、設置したら終わりではありません。性能を最大限に引き出し、水槽をきれいに保つためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

最も重要なメンテナンスは、汚水カップの清掃です。汚水カップに溜まった汚水は、数日に一度、または満タンになる前に捨てるようにしましょう。汚水を放置すると、悪臭の原因になるだけでなく、スキミング能力が低下します。

また、数か月に一度は、本体を水槽から取り出して掃除することも大切です。特に、ベンチュリー式スキマーでは、ポンプのインペラー(羽根車)には、ヌメリや汚れが溜まりやすいため、「スキマー能力が落ちてきたな」と思ったタイミングで汚れを取り除きましょう。

汚れを放置すると泡の生成能力が低下し、どんどんスキマーの性能が落ちてしまうので、専用のブラシやスポンジ、雑巾などを使って丁寧に掃除してください

ただし、「海道河童」のようにフィルターと一体化しているタイプは、フィルター部分に定着したバクテリアが死んでしまうため、「掃除頻度は半年〜1年が目安」という声もあります。

まとめ

プロテインスキマーは、海水魚飼育において水質を安定させ、生体を健康に保つための強力な味方です。

 * 多くの生体やサンゴを飼育するなら必須

 * エアリフト式、ベンチュリー式から、水槽に合ったものを選ぶ

 * 処理能力に余裕のあるモデルを選び、定期的なメンテナンスを怠らない

この記事を参考に、ぜひあなたの水槽に最適なプロテインスキマーを見つけて、快適な海水魚飼育ライフを楽しんでください。

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